イノベーションへの身近な挑戦
主婦や高齢者など短時間で働く人の雇用が増加したものの、無駄なことをなくす取組みから、残業をしない、有休を取れる人が増え労働時間が減少した結果、時間当たりの実質賃金(ステルス賃上げ)はあがったと新聞に記事がありました。
ただし雇用は増加したものの、一人当たりの働く時間は減り賃金が上昇せず、トータルとして賃金の総額は増えていないとにより、就業者一人当たりの生産性の変化率はマイナスになり、労働時間当たりの生産性の変化率はプラスになったと結論づけています。
自動化などによる生産性の向上だけではなく、付加価値の高い商製品サービスの開発を行うことで賃金の総額を拡大し、生産と消費が増加する方向に進む必要があるとの意見です。
単位当たりコストの削減やコスト絶対額の削減だけではなく、削減した時間の一部を活用し、新しい価値を生む活動をしていかなければ組織や経済は活性化しないということを考えなければなりません。組織としてコストを削減し利益を生むだけではなく、投資活動やイノベーションにより付加価値を高め収益を挙げる活動が生まれなければ本当の意味での生産性向上にはならないことがよく分かります。
「小さい資源で同じ成果を挙げる」ことにより、一人当たりの労働時間が減り、コストは削減できますが、「同一資源で大きな成果を挙げる」という視点で、「同じ労働時間で多くのことをできるようにする」という点に注目すべきです。
少なくとも、働き方を変えるというながれを維持したうえで無駄な時間をなくし一人ひとりのワークライフバランスを整えて利益を出し、その利益から投資を行い、「従来よりは小さい資源で大きな成果を挙げる」という活動が必要という結論になります。
- ムダをなくす
- 仕組みを変える
- DX化を図る
- 個人の技術技能を高める活動を行う
- イノベーションを起こす
といったながれをつくるために何をするのか。1から3の取組みののち、必要とされる教育やリスキリングによる啓発を行うとともに、5についての対応を一定程度行なっていくことが有益です。
自組織において従来できていないことを始めたり、新規性の高い事業を始めることに注力していかなければなりません。
- いままでにない事業、
- いままでにないビジネスモデル、
- いままでにない利便性や価値
をどのように生み出し提供し、社会貢献できるのか、社会を変えていけるのかについて、誰かに任せるのではなく、一人ひとりが考え行動しなければならないと考えています。
まずは身近なところにある
- 不都合なこと、
- 不便なこと、
- こうなったら良いと思うもの
を日々整理し、その解決のためにどのような取組みを行えばよいのかを皆が考え続けるところから小さな一歩を始めるのがよいのかもしれません。そこからの工夫や創造の繰り返しのなかで、キラ星のようなアイデアが生み出されたり創造が行われれば、なんて素敵なんだろうといま思います。(生産性向上)